2008年に北海道で始めたUターン人材専門の人材紹介事業「リージョンズキャリア」はニッポンで初めての「誰もやっていない」事業でした。前職時代に地域の経営者の採用活動に関わるなかで実現したかった「故郷に誰もが帰れる世界」や「地域の給与水準が上がった世界」を目指しこれまでやってきました。 事業開始直前に新聞記事に取り上げていただき100件近い電話が私の個人携帯を鳴らしたのですがその時聞こえてきたのは「首都圏からUターンしたいが求人が見つからない」「息子のUターンを手伝って欲しい」という切実な声です。北海道在住の転職候補者からは「今の会社を辞めたいのだが辞めたが最後転職先が見つからないのではないか」という勤務する会社への不信・不満そして転職への不安の声がありました。Uターン希望の方も地元の方も自由に仕事を得られない世界が15年前の北海道にありました。この流動性の低さをなんとかしないと皆が不幸で、地域に人が残らない世界では地域企業にも将来はないという思いがその後の原動力になりました。 それから15年を経て2300人の紹介実績を積み重ねてきました。事業展開地域は宮城、栃木、茨城に広げました。うちUIターン者は40%を超えています。いま創業から15年を経て事業の「再定義・再構築」に取り組んでいます。そして浮かんできたビジョンがあります。「挑戦する人と企業が溢れる地域をつくる」というものです。 私たちはこの15年でどんな求人が人を集める「パワフル」な求人かを知りました。パワフルな求人を地域に創造できれば、人が集まって来ます。理由があって故郷に帰りたい人を戻すのではなく、地域にくる理由を求人によってつくるのです。だから私たちはこれから主体的に「パワフル」な求人を生み出して、地域に人を呼び寄せます。そのためには、地域のキープレイヤーとの協同が不可欠です。行政、学校、団体、銀行、ベンチャーキャピタル、スポーツチームといった、地域にあるネットワークを駆使して地域に人が集まる循環を生み出すことを目指します。いま人口減少の社会で私たちがやるべきことはこれだと思っています。